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-報告-2014/7/19〜9/28 坂本 龍一 + YCAM InterLab「フォレスト・シンフォニー in モエレ沼」@[札幌]モエレ沼公園 ガラスのピラミッド

坂本龍一氏とYCAM InterLabによるプロジェクト「Forest Symphony」。12面体スピーカー”scenery”を使い、空間全体でシンフォニーとして体験できるインスタレーションが、札幌国際芸術祭のエキシビジョンとして展示されています。


札幌国際芸術祭2014とは札幌初の国際的なアートフェスティバル。
今回のテーマは「都市と自然」。これからの都市と自然のあり方を考える国際芸術祭として、
世界で活躍する現代アーティストたちが参加し、市内各所でさまざまなプロジェクトを展開しています。

今回、展示会場となったモエレ沼公園は、
彫刻家イサム・ノグチが最晩年に設計したもので、2005年にグランドオープンしました。
「大地そのものを彫刻化する」というイサム・ノグチの想いが込められています。
初めて訪れた人は、きっとその圧倒的なスケール感に息を呑むはず。
中でもガラスのピラミッドは公園の文化活動の拠点となる施設で、公園を象徴するモニュメントです。
屋外の環境を直接に反映し、公園の風景と一体になったかのような感覚を味わうことができます。

ガラスで構成されたアトリウムの一室で、「Forest Symphony in Moerenuma」が展示されています。


「木は光合成によって太陽光をエネルギーに換える、つまり
電磁波をとらえる天才。その周期性を音楽にしてみたい」
― 坂本 龍一
森林や樹木の存在に深い興味を抱いてきた坂本龍一が、東日本大震災以降、
その関心を具体的な芸術表現として示したプロジェクト「Forest Symphony(フォレスト・シンフォニー)」。
森林をはじめとした人類が生きる環境に目を向けることを意図して構想された本作品は、
山口情報芸術センター[YCAM]のYCAM InterLabとのコラボレーションにより技術開発を進め、
昨年開催されたYCAM10周年記念祭の中心的なプロジェクトとして発表されました。

特別に開発された装置を世界各地に点在する樹木に取り付け、木々に流れている微弱な電流の数値をリアルタイムで音に変換し、
樹木10本分の音を集め、交響曲のように楽しむことができるというこの作品。
YCAMでは、世界各地 (8カ所)からデータを取得し発表されましたが、今回の《フォレスト・シンフォニー in モエレ沼》では、
札幌市内、北海道内を含め国内外の約11カ所からデータを取得しSIAF2014バージョンとして発表されました。


採取された電流はリアルタイムでそのまま音に変換され、その数値や波形がモニタで表示されています。
キャプションにはこれを『動的な「新たな譜面」とも言える』と記されています。
長い歳月をかけて成長し堂々と立っているように見える樹木でも、この目まぐるしく変化する数値を見ていると、
人間の鼓動と同じように絶え間なく呼吸しているということがわかります。



装置の設置場所は、北海道大学、札幌市資料館、モエレ沼公園をはじめ世界中の11カ所・12本。
会場内のスピーカーの配置は、電流が採取された場所の位置関係と連動しています。
まるで世界の樹木の生命活動が小さな空間で再現されているようです。


真ん中にいると不思議な反響音が辺りを包みます。
また、ジジジジ・・・と鳴る微弱な音は、樹木が我々に何か言葉を発しているようで、静かに、心に沁みいります。


森の活動を音にする、そこから生まれるコミュニケーション。
この素晴らしい作品に”scenery”を使っていただけて大変光栄に思います。
会期はまだしばらくありますので、みなさま是非足をお運びください!
***
●坂本 龍一 + YCAM InterLab「フォレスト・シンフォニー in モエレ沼」
supported by LOUIS VUITTON
ディレクション/音楽:坂本 龍一(Ryuichi Sakamoto)
テクニカル・ディレクション/研究開発:YCAM InterLab
ビジュアル・ディレクション/高谷 史郎(Shiro Takatani)
日 程 : 2014年7月19日(土)~9月28日(日)
時 間 : 9:30-17:00(土曜日のみ9:30-19:00)
会 場 : モエレ沼公園
協 力 : 山口情報芸術センター[YCAM]
共 催 : 公益財団法人札幌市公園緑化協会
担 当 : 四方幸子(アソシエイト・キュレーター)

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