FB / TW / IG
journal / store

-報告-2014/6/14 KAC Performing Arts Program 2014 / Music若手作曲家シリーズ1 原摩利彦「FOR A SILENT SPACE」@京都芸術センター講堂

6/14、京都芸術センターにて開催されました、音楽家 原 摩利彦さんの新作上演コンサートで音響を担当しました。


ここ数年、原 摩利彦さんとは様々な音楽の現場でご一緒させていただき、共に音についての共感を重ねてきました。
それらの経験の一つの集大成として、このコンサートが実現しました。
会場となった京都芸術センターの講堂は趣のあるクラシカルな空間。
楽器の響きが自然に隅々まで拡がるよう、演奏者を中心にした扇形に7台の12面体スピーカーを配しました。











3日間もリハがあった贅沢なコンサートでしたが、リハの時とは違って
本番では超満員のお客様が入られたおかげで、あれだけ豊かだった会場の響きがかなり抑えられて、
はじめは各楽器の艶や伸びが出にくくPAでそれを付け足そうと焦ってしまいました。
途中から演奏者の方が会場の響きにアダプトして、こちらも何とかアダプトし、
ちょうど良いタイトさの艶がのった素晴らしい響きになっていったと思います。
ライブは、言葉の通り「LIVE」で、それまでいくら時間を掛けて設定をフィックスしたとしても、
本番になれば条件がかわるので、そこへ素早くアダプトできるかどうかが常に試されています。
そこで失敗のトラウマが頭をよぎる瞬間もありますが、それを楽しめて、
その時の波みたいなものに乗れるかどうかが、この仕事の醍醐味であり苦しみなのだ思います。








今回のコンサートでは日常のなかの非日常、非日常のなかの日常を感じられる
本当にレアで贅沢なコンサートが実現したのではと思います。
また「スピーカーの存在を感じさせない」「楽器の響きを自然に隅々まで拡げる」という命題に対して、
なんとか形にできたのではと感じています。





また今回は原さんのピアノの響きをじっくりと聴ける機会でもありました。
原さんの持っているピアノの響きは簡単に言えば「甘い=スィート」と感じられるものだという発見でした。
この「甘い=スィート」という言葉はある意味では誤解を生みやすい言葉なので難しいのですが、
本当に「魅惑的」と言える、もっと簡単に言うと「メロメロになりそう」なんですが(笑)魅力的な音色でした。
その音色は原さんの作る楽曲の雰囲気とも一致するので、それは納得と言えば納得なのですが、
人によっては明るい楽曲をつくるのにピアノの音色は暗いというか渋い方もいますし、
ただ力強いだけや、ピアノの素の音しかしないような味も素っ気もない音色の方もいます。
そう考えると実はこの一致は得難いものなんではないかとも言えるのかもしれません。
ピアニストとしての原さんの魅力にも気付けた貴重な機会でした。


イガキさん、上森さん、小峰さんの楽曲への理解と解釈も本当に素晴らしく、
またコンサートのコンセプト自体へも深い理解と解釈がちゃんとあり、
素晴らしい演奏者との出会いもこのコンサートの成功の大きなポイントだったと思います。
こんな贅沢な機会はめったにないので、随分と力を入れてぶつかっていきましたが、
経験としてはもちろん、人との出会いの面でも得られたものが大きく、
また新しい景色に出会えたような気持ちの良いコンサートでした。
このような機会を下さった原 摩利彦さんに改めて感謝したいです!

All Photos by Yoshikazu Inoue http://fotologue.jp/inoue-yoshikazu/

recent posts

Pagetop