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-報告-2014/2/1〜9 奈良県障害者芸術祭HAPPY SPOT NARA@奈良県文化会館

「奈良県障害者芸術祭HAPPY SPOT NARA」は、障害のある人もない人も楽しめるコミュニティーアートフェスティバル。その中の「アートが来る!」プロジェクトの一環として12面体スピーカー”scenery”を使ったサウンドインスタレーションを展示しました。



「奈良県障害者芸術祭HAPPY SPOT NARA」は、奈良県文化会館展示室、東大寺、奈良町界隈、奈良市ならまちセンターほか
障害のある人の魅力的な作品をそのプロセスとともに紹介する催しです。
奈良県文化会館の展示室は、奈良県のさまざまな障害者施設のメンバーによる絵画や写真、刺繍などの作品のほか、
デザイナーとコラボレーションして生まれた傘や長靴などの製品や物販スペースもあり盛りだくさんな会場のひとつです。


障害のある人とアーティストが奈良県内の学校などでアートワークショップを実施、その軌跡と交流を紹介する「アートクル!ドキュメント」。
その中のプロジェクトの一環として、sonihouseはアーティストと障害者が出会い、
それぞれが音を通して新しい表現を模索する機会の場をつくることを企画しました。

「聴く風景 見る響き」と題したこの企画、
広い展示室の一室を担当することになりましたが、その空間をどう活かすかが大きな課題となりました。
じっくりと作品を味わう場所として、薄いカーテンで仕切った空間をつくりました。
奥の空間から臨場感のある音が聴こえます。



カーテンをくぐると、天井に6台の12面体スピーカー、左右に2台のサブウーハーが配された空間が広がり、
その中央で6.2chのサラウンドを体感できるスペース。
約30分間のサウンドインスタレーションAとBが交互に流れます。

流れる音源は、sonihouseの活動と”scenery”の音響的特性を理解する2名の素晴らしいアーティストによる作品です。
作品Aは、ギタリストである渥美幸裕さんによる「34篇の’すきなおと’でつむがれた『音場』29分間」。
渥美さんはパーカッショニストのAKI-RA sunriseさんと、
障害のある方々と「すきなおと」をあつめて、音づくりのワークショップを開催しました。
車いすのレバーの音、ドアをノックする音、機織り機の音、ジッパーの音、自分の声。。。
それぞれのすきな音、こだわりの音、気になる音、自分にしか出せない音探しをしました。



ワークショップに参加してくれた人たちの瑞々しい感性で見いだされた音たちを、その個性を生かしつつ、
構築して作品化することで、改めて音の振る舞いの不思議さ、あるいは美しさに触れるような豊かな音響空間をつくり上げました。

一人一人の「すきなおと」の収録の様子は、写真パネルと映像で紹介しました。
聴くだけでは気づけなかった音の正体を発見する楽しみや驚きもあり、
またそのひとつひとつの音を高解像度の音で丁寧に扱うことで、ハッとする音の連続となりました。
また、作品Bは音楽家の原摩利彦さんによる「ピアノ・ランゲージ」。
たくさんのメンバーで創った渥美さんに対し、原さんはたんぽぽの家のアーティスト澤井玲衣子さんと
ピアノを使った一対一のコラボレーションとなりました。


ピアノと音楽に特別な思い入れのある澤井玲衣子さんとの、ピアノを介したゆっくりとした交流の中、
うまれたお互いの演奏の音と会話を、当日の親密であたたかな雰囲気そのままに、
2度と同じものが再現されないランダムなコンピュータ・プログラムで生成される美しくも儚い音響詩に仕上げました。

同じく、澤井さんとの対話の時間を写真パネルと映像で紹介しました。
初対面で作品を創る難しさ、また二人が徐々に心を通わせていき、最後に並んでピアノを弾くシーンなど
音源をより深く味わうことのできる記録となりました。
どちらも、この機会、この場でしか成しえなかった音の風景です。
また、会期中は同開場でライブも行いました。
2/2(日)は渥美幸裕さんとAKI-RA sunriseさん。
最初にお二人の即興演奏があり、その後29分間のサウンドインスタレーションを皆でじっくり味わいました。




最後は同じ29分間のサウンドインスタレーションを流しながら、それに合わせた即興演奏。
目の前の生音と、生音よりも生々しい音源が混ざり合い、不思議で圧倒的な「体感」となりました。
2/8(土)は原摩利彦さんのライブ。
当日は前半に、原さんとたんぽぽの家の岡部さん、sonihouseの鶴林の三者でトークを行いました。
音源収録の裏話や聴きどころなど、笑いも交えながらのひとときでした。


その後はインスタレーションの音源を使った原さんによるソロライブ。
賑やかで色々な音が響く渥美さんのライブに対し、一音一音の手触りを確かめるような静かな演奏。
耳を開いて息を飲む、じんわりと「体感」する時間でした。


このプロジェクトを通して、アーティストと参加者、そして私たちsonihouseにとっても、
お互いの感性に触れ合い、それぞれの表現の新しい領域に踏み込んだ貴重な時間を共有できたと感じています。
お越しいただきました皆様、またご協力いただきました方々へ御礼申し上げます。ありがとうございました!

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