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YCAMでの坂本龍一さんのライブを聴いて


先日のYCAMでの坂本龍一さんのライブを聴いて感想を少し・・・。

音圧礼賛の風潮は、本来の「音楽」という目的を離れ、一種のアトラクションとして、音圧そのものを目的とする方向に向にっている。とにかく聴く者を音圧で圧倒することが第一となる。そのため身体的な許容を超え、聴取自体が困難となり音楽の細かな綾は無視される。それは、これまでの機材のクオリティーや様々な要請で妥協を強いられていた部分が、いつの間にか目的へとすり替わっていたということ。
PA側、会場側に細部の再現力、構築力が担保されている場合、アーティストは「小音量」を恐れることはない。会場と、その音楽が求める音量は「大は小を兼ねる」ではなく、繊細な空間感覚で成立する。
とは言え、「大音量」の誘惑は簡単には断ち切ることはできない。YCAMという最高の「器」は、ハイクオリティーな「大音量」も簡単に作ることができるのだから。
今回、坂本龍一さん、そしてPAエンジニアにzAkさん、会場はYCAMという理想の組み合わせが実現した。
そしてライブでは終始、「小音量」が貫らぬかれた。繊細な音の変化と動きに敏感に反応し、次第に耳が開かれていく感覚。小音量PAが許される環境だけが実現できる贅沢なコンサート(聴取)体験があの場だった。
世界の第一線で活躍するお二人の、こんな男気溢れる(?)ライブを目の当たりにし、僕は勇気を与えられた。

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