「美味しいコーヒーって何だ?」を読んで

著者のコーヒー焙煎家 オオヤミノルさんとは、
自分が所属している京都の共同アトリエで初めて出会った。


その後ブルータスのベイエリアのコーヒー事情をリポートしたオオヤさんの記事は、
普段コーヒーを飲まない僕なのに、
まるごとスキャンしてデータ化してしまうほど感動した。

今回、そんなオオヤさんの本をすでに4〜5回くらい読み返しているが、
なんとか自分の言葉でもう一度解釈してみたいと思い、
その感想を文章にしてみた。

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鹿児島 ヴォアラコーヒー 井ノ上さんのコーヒーの追求の仕方は筋が通っている。
シンプルに質の追求をしている。
どこにも誤ったところがない。

井ノ上さんは海外の生産地まで赴き、直接生産者と買い付けの交渉をする。
オオヤさんにとっても生産地へ行って生豆の直接買い付けまですることは理想であるが、
オオヤさんのような所謂マイクロ・ロースターと呼ばれる規模では、
それに見合う販売量を確保することが難しい。

井ノ上さんとの会話では、
スペシャルティーコーヒー(浅煎り)vs 深煎り 
みたいな構図になっているが、
深煎りが生豆の未熟さを消すための妥協の技術だということを
スペシャルティーコーヒーの井ノ上さんは主張する。

完熟の生豆を活かす焙煎方法は浅煎りでしかないと。

購買規模/方法によって完熟の生豆だけを入手することは可能である。
深煎りという妥協の技術は、今となっては無用の長物であり、
世の中はもうその先の浅煎りの追求に走っている。
それなのにオオヤさんは完熟の生豆を入手するまでの購買力がないから
いまだに未熟な豆で、その臭みを消すため深煎りに止まり続けている、
という井ノ上さん側の見方であろう。

しかし、オオヤさんにとっては深煎りでしか出せない味があり、
それもコーヒーの美味しさとして認めるべきだと考える。

オオヤさんが理想とするのは「リヒト珈琲」だという。
深煎りのよごれた味も「旨さ」としてセンスよくだす。
それは店主の趣味の良さを表している。
料理に近いコーヒー。

コーヒーは素材の良さを正しく引き出すことだけでなく、
コーヒーを素材として作り手の個性を表す「媒介」の役割を持つということ。
究極の一杯ではなく、その場/その時にあったオンリーワンの一杯を目指すとしたら
コーヒーの味は“正しい”だけが美味しいの基準ではなくなる。

追求すべき道筋は、誰もが同じ正解にただりつくような一本の決まった道ではなく、
個人の趣味や美意識の試行錯誤が許容される、それぞれの道なのだという主張。

そして今は逆にスペシャルティーコーヒーという明確な味の基準を知って、
個性としてのコーヒーの到達点も幼稚なものでは許されなくなるだろう。

オオヤさんはコーヒーをその他の美味しいものと並べた時に
自分のコーヒーが釣り合うかという目線で眺める。
コーヒーを一つの価値基準によって洗練させることは、
腰の弱い、先細りしたものになるだろうという危惧がある。

コーヒーに携わる人間がコーヒーの中だけの基準しか持たなくなったら
コーヒーは目に見える技術でしか語られず、いつか一部のマニアだけのものになり、
一般のコーヒーファンとの乖離がおこってくるだろう。

街のコーヒーショップがもつ“ストリート感”
や“リアルさ”とオオヤさんが呼ぶものは薄れていくということだろう。

これらのことをコーヒーを普段まったく飲まない僕であるが、
こと自分が携わっているオーディオとの関係に当てはめて読んでみると
オオヤさんへの共感が少なくない。
オオヤさんの悩みや考えが、ほとんど自分にも当てはまっているように思われる。

いつかこの本についてオオヤさんに直接話を聞いてみたいと思っている。
(そして本にサインをもらいたいと思っている。)

2018/9/15 sat. 家宴-IEUTAGE-vol.22「時の質感」@sonihouse

「家宴-IEUTAGE-」とは、ライブのあとに出演者と観客が同じ食卓を囲む、音と食の家庭的おもてなしイベントのこと。私たちのスピーカーを介して、人々が集い、音楽に出会う場をつくりたい、との想いから2007年にスタートし、今回でvol.22を迎えます。

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材料費上昇に伴う”sight”価格改定のお知らせ

14面体スピーカー”sight”の内部ネットワークパーツのグレードアップに伴い、不本意ではございますが製品価格を現行より改定させていただきたくご案内申し上げます。新規パーツの追加とコアパーツの高品位化によって、よりナチュラルでクリアな音質になりました。

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2018/7/8 sun. Stefano Guzzetti Live「Ensemble」

昨年の春、sonihouseでライブを行ったイタリア・サルデーニャ島の作曲家/ピアニスト、Stefano Guzzettiが再来日。今回は自身のピアノに、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロの奏者3人も加わった、ピアノ+ストリングス三重奏の4人による贅沢な演奏会です。気品溢れる艶やかなポスト・クラシカル・サウンドを是非。

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sonihouseが名盤を選んでお届けする「SEASONS」はじまります

sonihouseが一年間に4回、季節に合わせたおすすめの音楽を紹介し販売するサービス「SEASONS」がはじまります。

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2018/6/2 sat. 林正樹 演奏会「pendulum」

来たる6月、ピアニスト・林正樹が2015年作品「pendulum」を軸としたツアーを開催。6/2(土)に奈良公演が開かれます。sonihouseは6/1三重、6/3岐阜と全日程の音響も担当します。

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2018/5/2-3 Mark de Clive-Lowe マーク・ド・クライブ・ロウ Sound workshop&Live

新世代のハービー・ハンコックと称され、あのジャイルス・ピーターソンも大絶賛する逸材、キーボーディスト/プロデューサー/作曲家/DJなど様々なスタイルで充実した活動を続けるMdCLことマーク・ド・クライヴ-ロウが来日。イギリスを拠点に活動する彼は日本とも縁が深く、今回はsonihouseで滞在制作をしながら、サウンドワークショップとライブパフォーマンスを開催。5/3の演奏会は、ゲストとして奈良出身の尺八奏者・日本芸能史家の薮内洋介を迎え、国や時代を超えた新たな試みを行います。

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2018/5/5-6 内田輝 調律を通した音のワークショップ&演奏会「聴く」からはじまる

紀元前5世紀、ピュタゴラスが発見した「音の法則」。この偶然的発見から2500年ほど経て、私たちはピアノに触れています。彼らはどんな響きを体感していたのでしょうか?

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2018/3/31 sat. Ezekiel Honig Live@sonihouse

NYのレーベルAnticipate Recordingsの元オーナーでもあり、アーティストのEzekiel Honigが来日。切望の日本公演を関西限定で開催します。会場は3/25きんせ旅館(京都)、3/31のsonihouseのみ。どうぞお見逃しなく!

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2018/3/12 mon. Christoph Berg / Chihei Hatakeyama Live@sonihouse

寒さも緩み、日ごとに春を感じる3月の夜、ドイツ・ベルリンのレーベルSonic Piecesより、Christoph BergとChihei Hatakeyamaを招きます。

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2018/2/24 sat. Lee Noble 2018 Japan Tour@sonihouse

2018年最初のライブは2/24(土)、ロサンゼルスの音楽家・アーティストLee Nobleと、京都で活動する若き奇才、小松千倫を迎えます。

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2017/11/26 sun. 家宴 vol.21「1√2 白銀比」@sonihouse

音楽と食の集い「家宴-IEUTAGE-」21回目は、音楽家 林正樹と料理家 小桧山聡子(山フーズ)を招きます。

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2017/11/22 wed. 12k Japan 2017@sonihouse

11/22(水)、エクスペリメンタル/アンビエントミュージックシーンの最高峰レーベル12kより、テイラー・デュプリー、マーカス・フィッシャー、コリー・フラー(ILLUHA)を招きます。

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2017/10/18 wed. Void Of Sound 2017 Japan Tour@sonihouse

10/18(水)、ノルウェーのアーティストSigurd Borge Kristoffersenによるアンビエント、ドローンプロジェクト「Void Of Sound」を迎えます。

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2017/9/24 sun. 家宴 vol.20「おとと音楽とことば」@sonihouse

sonihouseの立ち上げとともにスタートした音楽と食の饗宴「家宴-IEUTAGE-」。記念すべきvol.20は、京都・長岡京室内アンサンブルのメンバーをお迎えし、初の生音による演奏会を行います。

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2017/6/17 sat.-18 sun. 青葉市子とmama!milk「初夏の旅 奈良編」@sonihouse

※こちらのイベントは定員に達しました。現在キャンセル待ちのみのお受付となります。
sonihouseにて、初めての2DAYS公演。初夏に音楽家・青葉市子とmama!milkを招きます。

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2017/3/27 新聞各社にsonihouse鶴林の記事が掲載されました。

3/26付の朝日新聞と読売新聞、3/27付の奈良新聞に、半年に渡って開発を進めていた吉野杉を使った14面体スピーカーの完成までの経緯や、家宴のことなど活動全般を丁寧にご紹介いただきました。

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紀伊半島の求人サイト「Kii」にsonihouseの情報が掲載されました。

丁寧な取材を元に、読み応えのある文章でまとめてくださいました。求人情報だけでなく、sonihouseの成り立ちや日々の活動などが四週に渡って掲載されます。是非ご一読ください。

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2017/4/23 sun. Erik K Skodvin / Christoph Berg Live@sonihouse

sonihouse春のライブ。第三弾はドイツ・ベルリンのレーベルSonic Piecesより、Erik K SkodvinとChristoph Bergを迎えます。

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2017/4/17 mon. Stefano Guzzetti Live@sonihouse

sonihouse春のライブ。第二弾はイタリア・サルデーニャ島の作曲家/ピアニスト、Stefano Guzzettiを迎えます。

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2017/4/8 sat. Tomasz Betka / Tatsuro Yokoyama Live@sonihouse

sonihouse春のライブ。第一弾はポーランドのピアニスト、Tomasz Betkaと横山起朗を迎えます。

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